二流。

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スーパーなカブ

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Leica M10-P / Summilux 50mm f1.4 ASPH.

発表時から興味深々だったが、もう発売から2年も経っていたC125。この度ようやく乗らせて貰える機会に恵まれたので感想を書いてみる。

デザインの素敵さ、装備の豪華さに関しては言うまでもなし。ただ実車は写真で見るよりもボリューム感がある。特にハンドル周りやセンタートンネル(?)あたり。旧来のカブの華奢な感じが無い、この辺りは個人的には110でも感じる点。

 

走り出すと感じるのはパワフルさ。110でも90に比べてトルクフルだとは感じたけれどここまでではなかった。「カブだけどカブじゃない」という前評判の通りだが、いっそ「カブの形をしたバイク」と考えた方がしっくりくる。

車体も足回りもハイエンドクラスの125ccバイクの性能で、エンジンに関しては低速に振っているのと軽い車重が効いてちょっとした250cc単気筒車並みのパワー感があるように感じる。勿論加速していった先の伸びや最高速は敵わないけれど、街中で交通の流れを余裕でリードして快適に走れる。年式も何もかも違うがカブ90では「やや頑張ったら交通の流れに乗れる」か「交通の流れを頑張ればリード出来る場合もある」というレベル。

 

高速でのワープは出来ないけれど、そこだけ割り切って乗るならC125は非常にツーリング向きなバイクだ。遠心クラッチと良い意味でダルく乗れる4速ギアのおかげで疲労度が低く、無駄に飛ばしたりせずとも気持ちがよいので、ワインディングで飛ばまくってしまったり、直線でつい加速して取締りに遭ったりするリスクを避けてツーリングを楽しめる(笑)シートの出来も非常に良かったのできっと長距離乗ることを想定しているのだろう。この辺りにもお金がかかったバイクであることが感じられる。(唯一文句を付けたいのはシフトペダルの形状。見た目が貧相なのもあるけれど、角度なのか長さなのかクラッチの構造なのかシフトダウンがちょっとやりにくく、エンブレを効かせる場面でややギクシャクしてしまった。どうでもいいけど自分はかかとでシフトダウン派)

カブに乗るというのはその非力さ、軽快さ、気軽さを楽しんでいる面があると思うが、 C125はどれも当てはまらない(十分気軽ではあるが旧カブほどの雑さは無い)だけどポジションも、排気音も、ギアの繋がりも、どれをとっても間違いなく「カブ」なのでそこが不思議で面白いところだ。

 

実はC125は発表時からあまりにも良さそうで乗り換えを考えた時期もあるのだが、実際乗ってみると確かに素晴らしい走りをしたものの、それは自分が求めるカブではないことに気がついたので無事に熱は冷ますことが出来た。しかし、いつかメインバイクを降りる日が来たなら、この「スーパーなカブ」をメインバイクとして迎え入れるというのは中々良い考えだと思う。