といってもただの服選び。事の発端はこの冬を迎えるに当たり、究極に暖かくてかっちょよいアウターを購入しようと思ったことから。それは8月31日にセレクトショップでダウンジャケットを物色することから始まった。まさか8月から冬物を探す日が来るとは思ってもみなかったが、良いものは目敏い人に持って行かれてしまうのがこれまでの経験で分かっていたのでかなり早めにスタートを切ることにした。
しかし店頭に並んでいたのは定番のカナダグース、そして徐々に定番となりつつあるデサントの水沢ダウンと最近推されてきているピレネックスくらい。暖かいのは間違いないだろうけど、まあこんなもんか、という感想。ナンガのオーロラダウンジャケットも気になっていたのだが時期的に現物は見られなかった。そんな折にふらっと入った店で「ここに置いてるもので一番暖かいアウターってどれ?」と聞くと一着のジャケットの前に案内された。
それはECWCS LEVEL7 PRIMALOFT PARKAというものだった。
曰く、ECWCSという米軍が世界のあちこちに出向く為に開発した重ね着のシステムの中で、寒冷地において最後に一番上から着る極暖ジャケットだと。
PRIMALOFTは人工のダウン的なもので、その暖かさは既に手持ちのジャケットで実感済み。それがたっぷり入っているのでフッワフワ。付いたあだ名がマシュマロジャケットというのも納得。
ロマンも実用性も十分な上ブランドのダウンジャケットより安くて更にダウンと違って洗濯機で洗える!素晴らしい!
難点としては基本的な入手経路が軍の放出品からなので、供給が安定しないこと、アメリカ物なので小さな日本人向けサイズが限られていること、そしてこの理由から「偽物が横行しまくってること」が最大の難点だと。こうした事柄を店主自ら懇切丁寧に熱く語ってくれた。
そうして色々調べて考えた結果見せてもらったジャケットを後日改めて購入。
しかしオーバーサイズでざっくり着ようと思ってUSサイズのMを買ったものの使いどころが難しく、ここから迷走が始まる。他ブランドのLEVEL7ジャケットを数種買いあさるもそれぞれに一長一短が。最終的には最初に買ったWILD THINGSのサイズ違いのものに落ち着いた。
結果的に散財をしてしまったが、調べるだけでなく実際に買って、使ってみないとわからないことがあるという勉強が出来たと自分では納得している。「買って自分のものにして、日々を共にすれば、買ったものにだけ明かされる秘密がある」とは松浦弥太郎氏が述べていたことで、それと並べるのはおこがましいが、この一連の服選びではそんな学びが出来たのでは、と思っている。(メルカリ等で損失を回収する余地があるのはまだ救い)
Leica Q